個人資産相談業務:5題の事例を相談順に解く
金融財政事情研究会の個人資産相談業務に対応し、5題の事例を相談順に読むための基本手順を学びます。相談目的、事実、適用制度、数値、結論の順で整理し、設例本文に戻って根拠を確認する考え方を固めます。試験時間や出題形式、法令基準日は受験日の案内で確認する前提で、事例形式に強くなるための講義です。
動画の視聴は会員向けですこの講で分かるようになること
個人資産相談の設例で、必要情報と回答根拠を順に整理できる。
- 相談目的を短く言い換えて整理できる。
- 事実と結論を混同せずに読み分けられる。
- 本文の条件に合う制度を主軸から選べる。
- 結論を根拠付きで説明できる。
要点
- 事例は相談目的から読む。
- 設問だけでなく設例本文に必ず戻る。
- 金融資産・不動産・相続・税務の主軸を見極める。
- 数値は本文の条件と単位をそろえて扱う。
- 結論は根拠とセットで示す。
判断のルール
- 問題を独立した知識問題として読まない。
- 相談目的、事実、適用制度、数値、結論の順で整理する。
- 本文にない条件を勝手に補わない。
- 年度で変わる法定数値は受験日の法令基準日で確認する。
- 個人資産相談業務として一貫して読む。
例題
例題1例題1 制度・商品の判断
相談者Aさんは、近いうちに使う予定のある資金について『元本の大きな変動は避けたい』と話しています。設例には、運用で大きな値上がり益を狙いたいとは書かれていません。この場面で、回答の方向として最も適切なのはどれですか。①価格変動の大きさを気にせず収益性を最優先に考える ②安全性を重視して提案の方向を考える ③本文を見ずに知っている商品を幅広く列挙する
答え②安全性を重視して提案の方向を考える、が適切です。
考え方まず見るべき条件は相談目的です。この設例では『近いうちに使う予定』『元本の大きな変動は避けたい』という記述が根拠になります。したがって、最優先は高い収益性ではなく、安全性や価格変動の小ささです。③のように本文を離れて一般論を並べるのも事例形式では不適切です。結論は、相談目的に合う方向を選ぶことになります。
確かめ判断前に、『相談者は何を重視しているか』『使う時期は近いか遠いか』を本文で確認できたかを点検しましょう。
例題2例題2 簡単な計算または比較
設例で、Bさんの資産として、預貯金300、不動産評価額1200、借入金200が示されているとします。ここでは単純比較として、借入金を差し引いた後の資産額を求めます。金額の単位はすべて同じです。差し引き後の資産額はいくらですか。
答え1300です。
考え方本文の数値を整理すると、資産は預貯金300と不動産評価額1200の合計で1500です。ここから借入金200を差し引くので、1500−200=1300となります。難しい制度判断の前でも、このように本文の数値を正しく集め、同じ単位で比較することが基本です。使っていない数値を勝手に足したり、借入金を見落としたりしないことが大切です。
確かめ合計する項目と差し引く項目を分けて書いたか、単位がそろっているか、本文にない数字を加えていないかを確認しましょう。
例題3例題3 誤りやすい条件確認
Cさんの設例には、『相続のことも少し気になるが、今回いちばん知りたいのは現在の資産配分の見直し』とあります。このとき、最初に主軸として整理すべき分野は何ですか。①相続だけに絞る ②現在の資産配分に関わる分野を主軸にし、必要に応じて相続にも触れる ③不動産の記述がなくても不動産を主軸にする
答え②現在の資産配分に関わる分野を主軸にし、必要に応じて相続にも触れる、が適切です。
考え方事例形式では、本文に複数の話題があっても、相談目的の中心を先に押さえます。この設例では『今回いちばん知りたいのは現在の資産配分の見直し』が最重要の根拠です。したがって主軸は現在の資産配分に関わる検討です。一方で、『相続のことも少し気になる』という情報は無視せず、補足的に位置づけます。話題が出たものをすべて同じ重さで扱うのではなく、優先順位をつけることがポイントです。
確かめ本文の中で『今回いちばん知りたいこと』を先に拾えたか、補足情報と中心論点を区別できたかを確認しましょう。
よくある間違い
設問の言葉だけで論点を決め、本文の事実を見直さない。
相談目的より先に知っている制度を当てはめてしまう。
月額と年額、合計と内訳など数値の単位を混同する。
本文に書かれていない前提を加えて結論を変えてしまう。
結論だけを書いて、根拠となる条件を示さない。
この講の用語
- 個人資産相談業務こじんしさんそうだんぎょうむ
- 個人の相談者について、資産状況や家族事情を踏まえ、金融資産・不動産・相続・税務の観点から考える実技の分野です。
- 事例形式じれいけいしき
- 短い設問だけでなく、相談者の状況が書かれた本文全体を読んで判断する出題の形です。
- 相談目的そうだんもくてき
- 相談者が何を解決したいのかという中心課題です。最初にここをつかむと、必要な情報を選びやすくなります。
- 根拠こんきょ
- 結論を支える本文の条件や制度上の判断材料です。答えを出すときは、どの条件を見たかを示します。
章立て
- 0:00導入この講でできるようになる判断を確認します。
- 0:24中心概念相談目的、事実、適用制度、数値、結論の順で読む5題事例。
- 1:15重要用語個人資産相談業務、事例形式、相談目的、根拠
- 2:04基本ルール問題を独立した知識問題として読まない。 相談目的、事実、適用制度、数値、結論の順で整理する。 本文にない条件を勝手に補わない。 年度で変わる法定数値は受験日の法令基準日で確認する。 個人資産相談業務として一貫して読む。
- 2:45判断手順条件を確認し、分野を特定し、制度・計算を照合してから結論を選びます。
- 3:14確認ケース1相談者Aさんは、近いうちに使う予定のある資金について『元本の大きな変動は避けたい』と話しています。設例には、運用で大きな値上がり益を狙いたいとは書かれていません。この場面で、回答の方向として最も適切なのはどれですか。①価格変動の大きさを気にせず収益性を最優先に考える ②安全性を重視して提案の方向を考える ③本文を見ずに知っている商品を幅広く列挙する
- 3:40確認ケース2設例で、Bさんの資産として、預貯金300、不動産評価額1200、借入金200が示されているとします。ここでは単純比較として、借入金を差し引いた後の資産額を求めます。金額の単位はすべて同じです。差し引き後の資産額はいくらですか。
- 5:09確認ケース3Cさんの設例には、『相続のことも少し気になるが、今回いちばん知りたいのは現在の資産配分の見直し』とあります。このとき、最初に主軸として整理すべき分野は何ですか。①相続だけに絞る ②現在の資産配分に関わる分野を主軸にし、必要に応じて相続にも触れる ③不動産の記述がなくても不動産を主軸にする
- 6:19よくある誤り設問の言葉だけで論点を決め、本文の事実を見直さない。 相談目的より先に知っている制度を当てはめてしまう。 月額と年額、合計と内訳など数値の単位を混同する。 本文に書かれていない前提を加えて結論を変えてしまう。 結論だけを書いて、根拠となる条件を示さない。
- 7:48まとめ個人資産相談業務では、知識をばらばらに使うのではなく、相談の流れに沿って判断することが大切です。相談目的をつかみ、事実を整理し、適用制度を選び、本文の数値を確認して、最後に根拠付きで結論を述べます。設例に戻る習慣が、事例形式を安定して解く力になります。
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