相続税・評価・対策会員向け8:02

相続税・贈与税・財産評価:相続対策を数字と目的で考える

相続税・贈与税の違い、基礎控除の位置づけ、財産評価の目的、生命保険の活用、事業承継の考え方を整理します。税額だけでなく、納税資金や遺産分割まで含めて判断する視点を身につける講義です。法定数値は受験日の法令基準日で確認する前提で、3級の公式範囲に沿って基礎を学びます。

相続税・贈与税・財産評価:相続対策を数字と目的で考えるの表紙動画の視聴は会員向けです

この講で分かるようになること

相続税・贈与税の計算順序と保険・評価・承継の役割を区別できる。

  • 相続税と贈与税を発生原因で見分けられるようにする
  • 財産評価の目的を税額計算と切り分けて説明できるようにする
  • 生命保険の役割を納税資金と分割対策の面から整理できるようにする
  • 事業承継を税負担だけでなく事業継続の観点でも捉えられるようにする

要点

  1. 相続税か贈与税かは、いつ・どの原因で財産が移転したかで判断する
  2. 相続税の計算では、まず財産を評価して課税の土台を整える
  3. 基礎控除や税率などの法定数値は受験日の法令基準日で確認する
  4. 生命保険は納税資金の準備や分割対策で役立つことがある
  5. 事業承継は相続税対策だけでなく事業継続の視点が必要である

判断のルール

  • 税額の話に入る前に、相続か贈与かの発生原因を確定する
  • 評価額と実際の売買価格を同一視しない
  • 保険の機能と財産評価の目的を混同しない
  • 不動産対策は税額だけでなく分けやすさと換金性も確認する

例題

例題1例題1 制度の判断

父が亡くなった後、子が父名義の預金を受け取ることになりました。この財産移転を考える入口として、まず相続税と贈与税のどちらの論点から確認するのが適切ですか。

答え相続税の論点から確認するのが適切です。

考え方判断の最初の条件は、財産がいつ、どの原因で移転したかです。このケースでは、父が亡くなった後に子が財産を受け取っています。亡くなったことによる財産移転なので、生前にあげる約束で財産を渡した贈与ではなく、相続の場面として整理します。したがって、まず相続税の対象となる財産か、相続財産の評価や基礎控除の確認が必要か、という順で考えます。

確かめ生前にもらったのか、死亡によって受け取ったのかを最初に確認できたか。税率暗記より先に、発生原因を見分けることがポイントです。

例題2例題2 簡単な比較

相続財産として、現金1,000万円と不動産1,000万円があるとします。合計2,000万円の財産を2人の相続人で等しく受け取る方法を考えるとき、金額面だけを見ると1人あたりいくらになりますか。また、実務上の考え方として何に注意しますか。

答え金額面だけなら1人あたり1,000万円です。注意点は、等しい金額に見えても、不動産は分けにくく換金しにくいことがあり、納税資金や分割のしやすさまで確認する必要があることです。

考え方単純な合計は、現金1,000万円と不動産1,000万円で2,000万円です。これを2人で等分すると1人あたり1,000万円になります。ただし、相続では数字が同じでも財産の性質が異なります。現金はそのまま使いやすい一方、不動産は物理的に分けにくく、すぐ現金化できないことがあります。そのため、税額だけでなく、誰がどの財産を受けると分割しやすいか、納税資金を確保できるかを合わせて考える必要があります。

確かめ合計額の計算だけで終わらず、現金と不動産の違いに気づけたか。相続対策では金額の一致と分割のしやすさは別問題です。

例題3例題3 誤りやすい条件確認

次の説明は正しいですか。『生命保険金は相続で受け取るお金なので、税金を考える必要はなく、財産評価とも無関係である。』

答え誤りです。

考え方生命保険金は、相続の場面で納税資金の準備や分割対策に役立つことがありますが、だからといって税金を考えなくてよいわけではありません。試験では、生命保険金を受け取ったときの税金上の扱いは条件を確認して判断します。また、財産評価そのものの目的は課税の土台を定めることですが、保険の役割は資金準備や分割調整です。つまり、無関係と切り離すのではなく、役割が異なるものとして整理するのが正しい理解です。

確かめ『保険は便利だから非課税』『評価は不動産だけの話』と単純化していないか。保険の機能と税金上の扱いは別々に確認することが大切です。

よくある間違い

生前にもらった財産を自動的に相続税の話だと思い込む

基礎控除や税率の数値を古いまま覚えてしまう

生命保険金なら必ず税金がかからないと考える

不動産の評価額と市場での売却価格を同じものとして扱う

事業承継を税負担の軽重だけで判断してしまう

この講の用語

相続税そうぞくぜい
人が亡くなったことにより財産を受け取ったときに関係する税金です。まず相続財産を把握し、必要な控除などを確認して考えます。
贈与税ぞうよぜい
生前に財産をもらったときに関係する税金です。相続税と似ていますが、亡くなったことによる移転ではない点が異なります。
基礎控除きそこうじょ
一定額までは課税の対象から差し引く考え方です。相続税を考える入口で重要ですが、具体的な金額は法令基準日で確認します。
生命保険金せいめいほけんきん
生命保険契約により支払われるお金です。相続では、納税資金の準備や遺産分割の調整に役立つことがあります。
財産評価ざいさんひょうか
相続財産などの価値を課税のために定めることです。実際の売買価格と同じとは限らず、税額計算の前提になります。

章立て

  1. 0:00導入この講でできるようになる判断を確認します。
  2. 0:25中心概念相続税・贈与税、財産評価、生命保険、事業承継。
  3. 1:13重要用語相続税、贈与税、基礎控除、生命保険金、財産評価
  4. 2:04基本ルール税額の話に入る前に、相続か贈与かの発生原因を確定する 評価額と実際の売買価格を同一視しない 保険の機能と財産評価の目的を混同しない 不動産対策は税額だけでなく分けやすさと換金性も確認する
  5. 2:37判断手順条件を確認し、分野を特定し、制度・計算を照合してから結論を選びます。
  6. 3:06確認ケース1父が亡くなった後、子が父名義の預金を受け取ることになりました。この財産移転を考える入口として、まず相続税と贈与税のどちらの論点から確認するのが適切ですか。
  7. 3:34確認ケース2相続財産として、現金1,000万円と不動産1,000万円があるとします。合計2,000万円の財産を2人の相続人で等しく受け取る方法を考えるとき、金額面だけを見ると1人あたりいくらになりますか。また、実務上の考え方として何に注意しますか。
  8. 4:46確認ケース3次の説明は正しいですか。『生命保険金は相続で受け取るお金なので、税金を考える必要はなく、財産評価とも無関係である。』
  9. 5:54よくある誤り生前にもらった財産を自動的に相続税の話だと思い込む 基礎控除や税率の数値を古いまま覚えてしまう 生命保険金なら必ず税金がかからないと考える 不動産の評価額と市場での売却価格を同じものとして扱う 事業承継を税負担の軽重だけで判断してしまう
  10. 7:06まとめ相続分野では、相続税と贈与税をまず発生原因で分け、次に財産評価で課税の土台を整えます。そのうえで、生命保険は納税資金や分割対策、事業承継は事業継続まで含めて考えることが重要です。税額だけを見るのではなく、数字と目的を分けて整理できれば、3級の基本問題に対応しやすくなります。
FP3級(3級FP技能検定)の学習を続ける

講義・過去問・暗記カード・模試まで、同じ論点でつながっています。

登録は1分・クレジットカード不要。無料のまま練習・暗記カード・模試まで使えます。