見方・権利・取引会員向け8:01

不動産の見方・権利・取引:面積、登記、契約を一つずつ読む

不動産分野で混同しやすい公簿面積と実測面積、登記、建ぺい率・容積率、媒介契約と売買契約を、同じ事例でも別々に読む方法として整理します。面積表示、権利関係、法令上の規制、契約段階を順番に確認する読み方を身につけ、事例問題で迷わない基礎を固めます。法定の数値や制度の細部は受験日の法令基準日で確認する前提で、3級の公式範囲に沿って学びます。

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この講で分かるようになること

面積表示、権利関係、契約、法規制を混ぜずに事例を読める。

  • 公簿面積と実測面積の違いを説明できる
  • 登記を対抗要件として整理できる
  • 建ぺい率と容積率を式の意味で区別できる
  • 媒介契約と売買契約の段階の違いを判別できる

要点

  1. 面積表示と権利関係は別の論点として読む
  2. 登記の有無は第三者に対する主張の可否を考える手がかりになる
  3. 建ぺい率は建築面積、容積率は延べ面積を見る
  4. 媒介契約は相手方探索、売買契約は売買の合意という違いがある

判断のルール

  • 面積の記載を見たら、まず公簿か実測かを確認する
  • 登記が出たら、当事者間の関係ではなく第三者対抗の場面を意識する
  • 割合の問題では、分子が建築面積か延べ面積かを先に判定する
  • 契約問題では、媒介か売買かという契約の段階を見分ける

例題

例題1例題1 制度・商品の判断:どの契約かを見分ける

甲さんは、自宅の土地を売る相手を探してもらうために不動産会社乙と契約を結びました。まだ買主は決まっておらず、甲さんと買主候補の間で売る・買うという合意もありません。この契約として適切なのは何ですか。

答え媒介契約です。

考え方判断のポイントは、契約の相手と目的です。甲さんが契約した相手は不動産会社であり、目的は売買の相手方を探してもらうことです。まだ売主と買主の間で不動産そのものを売買する合意はありません。したがって、これは売買契約ではなく、売買の成立を手助けしてもらうための媒介契約と判断します。

確かめ『誰と契約したか』『何を目的としているか』を確認します。不動産会社に相手探しを依頼しているだけなら媒介契約、売主と買主が目的物の売買に合意していれば売買契約です。

例題2例題2 簡単な計算または比較:建ぺい率と容積率を区別する

ある敷地の面積が200平方メートル、建築面積が80平方メートル、延べ面積が240平方メートルであるとします。このとき、建ぺい率と容積率はそれぞれ何%ですか。

答え建ぺい率は40%、容積率は120%です。

考え方まず、建ぺい率は敷地面積に対する建築面積の割合なので、80÷200=0.4で40%です。次に、容積率は敷地面積に対する延べ面積の割合なので、240÷200=1.2で120%です。ここで大切なのは、建ぺい率は建築面積、容積率は延べ面積を使うという区別です。割合の計算自体は難しくなく、分子に何を置くかが勝負になります。

確かめ式を書く前に『建築面積か、延べ面積か』を確認しましょう。建ぺい率=建築面積÷敷地面積、容積率=延べ面積÷敷地面積、という順で確認すると取り違えにくくなります。

例題3例題3 誤りやすい条件確認:登記と面積表示を混同しない

土地について『登記記録上の面積は150平方メートル、測量したところ152平方メートルだった』と書かれていました。この記述から直接いえることとして最も適切なものは何ですか。A 面積表示として公簿面積と実測面積は区別して読む必要がある。B 実測面積があるので登記がなくても第三者に権利を主張できる。C 登記記録上の面積と実測面積が違うので売買契約は成立しない。

答えAです。

考え方この記述で直接わかるのは、登記記録に基づく面積と、実際に測った面積が異なる可能性があるという点です。したがって、公簿面積と実測面積を分けて読む必要がある、というAが適切です。Bは、実測面積の有無と第三者対抗の問題を混同しています。登記は権利関係を公示する論点であり、面積表示とは別です。Cも不適切で、面積差があることだけから直ちに売買契約の成否は判断できません。

確かめ面積の情報が出たら面積の論点、登記の情報が出たら権利の論点として整理します。一つの記述から何が直接いえるのかを見極め、別の論点を勝手に足さないことが大切です。

よくある間違い

公簿面積と実測面積の違いを、権利の強さの違いだと思ってしまう

売買契約があれば常に第三者にも主張できると考えてしまう

建ぺい率と容積率で、建築面積と延べ面積を取り違える

媒介契約を結んだだけで売買契約も成立したと誤解する

この講の用語

公簿面積こうぼめんせき
登記記録に基づいて表示される土地の面積のこと。実際に測った面積とは一致しないことがある。
実測面積じっそくめんせき
現地を測量して確認した実際の面積のこと。公簿面積と区別して読む。
登記とうき
不動産の権利関係などを公に示す仕組み。3級では特に対抗要件としての意味を押さえる。
建ぺい率けんぺいりつ
敷地面積に対する建築面積の割合のこと。何がどれだけ建てられるかを考える基礎になる。
容積率ようせきりつ
敷地面積に対する延べ面積の割合のこと。建ぺい率と混同しやすいので注意する。

章立て

  1. 0:00導入この講でできるようになる判断を確認します。
  2. 0:19中心概念公簿・実測、登記、建ぺい率・容積率、媒介・売買契約。
  3. 0:58重要用語公簿面積、実測面積、登記、建ぺい率、容積率
  4. 1:35基本ルール面積の記載を見たら、まず公簿か実測かを確認する 登記が出たら、当事者間の関係ではなく第三者対抗の場面を意識する 割合の問題では、分子が建築面積か延べ面積かを先に判定する 契約問題では、媒介か売買かという契約の段階を見分ける
  5. 2:07判断手順条件を確認し、分野を特定し、制度・計算を照合してから結論を選びます。
  6. 2:34確認ケース1甲さんは、自宅の土地を売る相手を探してもらうために不動産会社乙と契約を結びました。まだ買主は決まっておらず、甲さんと買主候補の間で売る・買うという合意もありません。この契約として適切なのは何ですか。
  7. 2:55確認ケース2ある敷地の面積が200平方メートル、建築面積が80平方メートル、延べ面積が240平方メートルであるとします。このとき、建ぺい率と容積率はそれぞれ何%ですか。
  8. 4:09確認ケース3土地について『登記記録上の面積は150平方メートル、測量したところ152平方メートルだった』と書かれていました。この記述から直接いえることとして最も適切なものは何ですか。A 面積表示として公簿面積と実測面積は区別して読む必要がある。B 実測面積があるので登記がなくても第三者に権利を主張できる。C 登記記録上の面積と実測面積が違うので売買契約は成立しない。
  9. 5:33よくある誤り公簿面積と実測面積の違いを、権利の強さの違いだと思ってしまう 売買契約があれば常に第三者にも主張できると考えてしまう 建ぺい率と容積率で、建築面積と延べ面積を取り違える 媒介契約を結んだだけで売買契約も成立したと誤解する
  10. 7:16まとめ不動産分野は、面積表示、権利関係、法規制、契約段階を混ぜないことが最重要です。公簿面積と実測面積は面積の把握、登記は権利の公示、建ぺい率と容積率は建築規制、媒介契約と売買契約は取引段階の違いとして整理します。事例では、一文ごとに『何の論点か』を仕分けして読めば、3級レベルの問題に安定して対応できます。
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