所得税の構造・所得区分会員向け7:23

所得税の構造と所得区分:何に、誰が、どの所得で課税されるか

所得税の基本構造を確認し、収入と所得の違いを整理したうえで、給与所得・事業所得・不動産所得・譲渡所得・一時所得・雑所得の判定方法を学びます。総所得金額の考え方にも触れ、基本事例で迷わず分類できる力を身につけます。税率表や基礎控除などの法定数値は、受験日の法令基準日で確認する前提で扱います。

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この講で分かるようになること

収入と所得を区別し、基本事例の所得区分を判定できる。

  • 所得税が個人の所得に対して課税される税であると説明できる。
  • 収入と所得の違いを短く言い分けられる。
  • 働き方や資産の性質から所得区分を選べる。

要点

  1. 所得税は個人の所得に対して課税される。
  2. 収入は入金額、所得は課税のもとになる金額という違いがある。
  3. 雇用による給料は給与所得、自営の継続的な営業は事業所得となる。
  4. 土地や建物を貸して得る収入は不動産所得の対象になる。
  5. 資産の売却は譲渡所得、臨時的な利益は一時所得、他に当てはまりにくいものは雑所得として考える。

判断のルール

  • まず収入の内容を確認し、その後で所得区分を判定する。
  • 名称だけでなく、契約関係や継続性など実態で判断する。
  • 給与・事業・不動産・譲渡・一時・雑の順に当てはめて整理する。
  • 税率や控除額などの法定数値は受験日の法令基準日で確認する。

例題

例題1例題1 所得区分の判断

Aさんは会社に雇われて働き、毎月給料を受け取っています。この給料による所得区分は何ですか。

答え給与所得です。

考え方判断のポイントは、収入の実態が雇用契約にもとづく給料であることです。会社などに雇われて受け取る給料や賞与は、所得税では給与所得として扱います。自分で独立して営業しているわけではないため、事業所得ではありません。

確かめ「だれから、どんな関係で受け取ったお金か」を確認します。雇われて受け取る給料なら給与所得と判断します。

例題2例題2 収入と所得の比較

Bさんは自分で小さな仕事をしており、ある月の売上が30万円、仕事に直接必要だった費用が10万円でした。この月について、収入はいくらで、所得として考える金額はいくらですか。

答え収入は30万円、所得として考える金額は20万円です。

考え方まず、売上として入ってきた30万円が収入です。次に、所得は収入そのものではなく、必要な費用を差し引いて考えます。この問題では、仕事に直接必要だった費用が10万円なので、30万円から10万円を引いた20万円が所得として考える金額になります。

確かめ入ってきた総額が収入、そこから必要な費用を引いたものが所得という順番で整理できているかを確認します。

例題3例題3 誤りやすい条件確認

Cさんは自宅とは別に持っている小さな建物を人に貸して、毎月家賃を受け取っています。この収入を雑所得と考えてよいですか。

答えいいえ、雑所得ではなく不動産所得として考えます。

考え方判断の条件は、何をもとに収入を得ているかです。このケースでは、土地や建物を貸して家賃を受け取っています。土地や建物などを貸して得る収入は不動産所得として扱うのが基本です。他の区分にはっきり当てはまらないから雑所得にする、という考え方はここでは使いません。

確かめ家賃・地代など、貸して得る収入が出てきたら、まず不動産所得を疑うことができるかを確認します。

よくある間違い

収入額そのものを所得額だと思い込んでしまう。

給料を事業所得として考えてしまう。

家賃収入を雑所得として処理してしまう。

資産の売却による利益を一時所得と混同してしまう。

税率表や基礎控除の数値を固定的に覚えてしまう。

この講の用語

総所得金額そうしょとくきんがく
各所得を一定のルールで合計して把握するための基本的な金額のこと。まずは、どの所得があるかを正しく分類することが出発点になる。
給与所得きゅうよしょとく
会社などに雇われて受け取る給料や賞与に関する所得のこと。雇用にもとづく収入かどうかが見分けるポイント。
不動産所得ふどうさんしょとく
土地や建物などを貸して得る家賃や地代などに関する所得のこと。貸して得る収入である点が重要。
譲渡所得じょうとしょとく
保有していた資産を譲り渡して生じる所得のこと。継続的な販売業ではなく、資産の売却であるかを確認する。

章立て

  1. 0:00導入この講でできるようになる判断を確認します。
  2. 0:25中心概念税制の全体像、給与・事業・不動産・譲渡・一時・雑所得。
  3. 1:21重要用語総所得金額、給与所得、不動産所得、譲渡所得
  4. 2:12基本ルールまず収入の内容を確認し、その後で所得区分を判定する。 名称だけでなく、契約関係や継続性など実態で判断する。 給与・事業・不動産・譲渡・一時・雑の順に当てはめて整理する。 税率や控除額などの法定数値は受験日の法令基準日で確認する。
  5. 2:42判断手順条件を確認し、分野を特定し、制度・計算を照合してから結論を選びます。
  6. 3:12確認ケース1Aさんは会社に雇われて働き、毎月給料を受け取っています。この給料による所得区分は何ですか。
  7. 3:43確認ケース2Bさんは自分で小さな仕事をしており、ある月の売上が30万円、仕事に直接必要だった費用が10万円でした。この月について、収入はいくらで、所得として考える金額はいくらですか。
  8. 4:32確認ケース3Cさんは自宅とは別に持っている小さな建物を人に貸して、毎月家賃を受け取っています。この収入を雑所得と考えてよいですか。
  9. 5:32よくある誤り収入額そのものを所得額だと思い込んでしまう。 給料を事業所得として考えてしまう。 家賃収入を雑所得として処理してしまう。 資産の売却による利益を一時所得と混同してしまう。 税率表や基礎控除の数値を固定的に覚えてしまう。
  10. 6:28まとめこのテーマでは、所得税は個人の所得に対して課税されること、そして収入と所得は違うことをまず押さえます。そのうえで、雇用なら給与所得、自営の継続的活動なら事業所得、土地や建物を貸せば不動産所得、資産を売れば譲渡所得、臨時的な利益は一時所得、他に当てはまりにくいものは雑所得という基本分類を整理します。分類を正しく行うことが、総所得金額の理解や次の計算学習の土台になります。
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